PT×PT今野です。 ※(physiotherapist×pep talker)
日本語が世界を平和にする??
驚きのタイトル本を見つけ買わずにはいられませんでした。
その本を紹介したいと思います。
その前に・・・
日本では言葉の技術の勉強が少ないと言われています。私が小学生の時には教科書を読む、作文・漢字を書く、ことが中心でした。
今でこそ小学校で話し言葉の勉強やリベート的な学習が行われているようですが、アメリカでは古くから言語技術の勉強に時間を割いていたようです。Language Arts(ランゲージアーツ)と呼ばれています。
日本人は英語が苦手(私も)、それは日本語が独特だから。と良く言われています。
この本ではその点つまり日本語と英語の違いについて新しい発想で説明してくれます。
日本語は「共感」、英語は「主張」。
日本語は「(何らかの状況で)ある言葉」、英語は「(誰かが何かを)する言葉」
ですから日本語は話し手と聞き手の両方に共通する状況を作り出そうとしますし、英語には多くの人が出てきます。
例えば「ありがとう」と「thank you」。
ありがとうは有り難う。つまり有ることが難しい位の状況に感謝するという意味です。ここに特定の人は関与していません。
thank you はあなたに感謝という意味です。英語ではハッキリと相手と自分が出てきて向かい合って話を進めます。
日本語は全てが向かい合う対話ではなく、二人が同じ方向を向いて話すことも多いのです。ですからお互いに人が見えない状況なので会話に「人」が入りづらいと説明されています。
さらに筆者は興味深い点について記述しています。
英語は俯瞰的視野で話すことが多く、日本語は自分の視野で話すことが多いと。自分の視野には自分が映らないので言葉にも人が入らない。英語は自分の姿を上から見るように話すので人という言葉が入りやすいと。
私は英語が喋れないので「なるほど!」とまでは理解できませんが、視点の違いで言葉が変わることは理解できますし、とても重要な分析だと思います。
さらに主語に関する分析にもページを割いています。日本語は主語が必要ないことや英語にはどうしても主語が必要な訳について記述されています。興味有る人は読んでみて下さい。
そしていよいよ本の題目の説明です。
著者はカナダ在住の日本語教師です。教え子200名ほど日本に留学させた経験を持つ大学の教官ですが、日本から帰った学生さんの変化が大きいことを実感するというのです。
ほとんどの学生が「優しくなる」そうです。話し方や声も変わり、攻撃的な性格が姿を消すとのこと。
また、著者が戦争で亡くなった叔父さんの慰霊碑をお参りに沖縄に行くと、そこには日本人だけでなく、アメリカ兵の名前も刻まれていたことに驚いたそうです。敵味方ではない。そこに日本人の共存、共視の思想が顕著に伺え日本語の共視に繋がると理解できたそうです。
相手のことを想い、相手と同じ立場に立って話そうとする日本語は平和志向で美しい言葉だと思うとのこと。
日本に来て日本人と触れ合い日本語を話せれば争うことが減り世の中が平和になる。ということでしょうか。
参考書籍:日本語が世界を平和にするこれだけの理由、金谷武洋、飛鳥新社(2018.10.1)